阿 品 ア カ デ ミ ー

 

 

 

 

             会     報

 

 

 

 

 

                VOL.8

 

          (平成20年9月~平成21年8月)

 

 

 

 

 

 

 

            平成21年9月1日

 

 

 

 

       

         阿品アカデミー 会報  VOL.8 

 

 

                目  次

 

   御挨拶    会長  山下彰一          1

 

1. 平成20年度 学習記録               3

  

2. 平成20年度 講師一覧              11 

 

3. 会員の単位取得状況                12

 

平成20年度卒業証書授与者            12

 

5. 会計報告                      13

 

あとがき                    14

 

 付).阿品アカデミー会則(平成14年9月1日改正)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

           御 挨 拶

                 会長  山下彰一

 

 阿品アカデミーの第二代会長に指名されました山下でございます。実は、初代会長の竹下虎之助さんから、生前、「次を頼む」、と言われておりました。その時は、「はい、承知しました」とご返事をしたものの、先のことだと思っておりました。ところが、事態は急変、竹下さんが亡くなられ、その時同席していた田辺事務局長に押し切られる形で、お引き受け致したような次第です。

 

はじめに、簡単な自己紹介をさせていただきます。私は、高知県土佐市宇佐の生まれです。若きジョン・万次郎は、宇佐の船で働いていて、ここから漂流し、アメリカで勉強して帰国したのです。私は、高卒後、日本発条()に就職、それから早稲田の政経に入り直し、1965年にアジア経済研究所(アジ研)へ就職、以降、アジアの調査研究を職として参りました。アジ研では、アメリカ留学をはじめ、アジア研究の数量分析領域の開発など、多くの得がたい体験と仕事をさせていただきました。

1979年に広島大学から招かれ、この風光明媚な阿品台に住むようになったわけです。この間、総合科学部、経済学部に勤務、そして大学院国際協力研究科の設立に関わり、初代研究科長を勤めました。この研究科は、環境問題に関する文理融合型の大学院で、多くの優秀な留学生が集まっています。授業は英語、この3月までのわずか10数年間に、博士・修士の学位取得者が1,150名を超えました。その6割が留学生です。

 

広大を定年後の20024月から、私は、縁あって北九州市の()東アジア研究センターに7年間勤務し、この春、阿品台に戻って参りました。

私は、アジ研時代から東南アジアが専門で、タイとインドネシアでは、夫々約2年駐在、両国最初の産業連関表作成の指導をしました。1970年代前半のことで、また、ミャンマーでは、1980年代に同国最初の開発計画の策定を依頼され、契約期間内に仲間とほぼ完成させました。ミャンマーの当時の実態として、開発を始める条件が整っておらず、とても開発計画とは呼べないため、

            −1−

仲間同士では、「羽化(うか)計画」と名づけたものでした。ただ、その最後の段階で、現在のタンシュエがクーデターを起こし、軍政を敷いたため、私は軍政に同調できず、さっさと広島へ戻ってきました。当時、日本平和学会の設立理事を務めており、その面目躍如たる一面です。ミャンマー政府の高官が、広島まで迎えに来てくれましたが、私はそれに同意できず、そのままになりました。しかし、ミャンマーの国づくりは、あの当時から遅々として進んでおらず、あるいは軍政下の現状はもっと悪くなっている、と想像しています。

 

北九州市での勤務は、中国や韓国、台湾の大学や政府の研究機関とのお付き合いが多く、「環黄海10都市会議」の推進や具体的事業の提案をしてきました。これらを合計すると、45年近くもアジア諸国とお付き合いさせていただいたことになります。アジアに友人・知人が多く、何かのお役立てたいと考えています。

 

ところで、阿品台のことに戻りますが、私の7年間のブランクの間に、大きく変わったことを一つ申し上げます。それは、子供の数がずいぶんと減ったと感じることです。当時は、阿品台の小、中、高へ通う子供が多く、にぎやかな団地でしたが、今回帰ってみると、その賑わいが薄れ、寂しく感じることです。近所の方の顔は変わっておりませんが、なんとなくお年を召しておられる。

という私も、70歳になって戻りましたので、私を含めての話ですが、この高齢化対策を、何とかしなければならない、と思った次第です。あるいは、年齢と関わりのない理想郷・阿品台の構築を提案できれば、同じ悩みを持つ周辺の団地から、少々は注目されるのではないか、とも考えております。どうか、私も話し合いのお仲間に加えていただき、一緒に考えさせていただきたい、そう思っている次第でございます。どうぞよろしくお願い致します。

                    (200982)

 

 

 

 

 

             −2―

1.  平成20年度 学習記録

 

   講演会 

 

   環境講座 「廃棄物処理の現状と問題点」

        「都市ガス、天然ガスの環境性について」

        「人類が今抱えている諸問題」

 

   文化講座 「歴史講座」

        「映画書蒐集40年」

 

   自然講座 「瀬戸内海の水産」

「河川や海岸での災害から学ぶ」

     「植物講座」

     「天文講座」

     「干潟生物の観察」

 

   生活科学講座 「建築講座」

 

   中国古典を読む会 「論語」

 

   

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

             −3−

講演会

年月日

内     容

講 師

出席者

H20.8.31

「地球温暖化の現状と問題点」

地球温暖化の意味するところ。その現状と将来起こりうる問題点の整理と、今われわれがなすべきこと。

広島市がやっていることの解説と今後の目標。

亀井且博氏

(広島市地球温暖化、エネルギー対策部長)

30

 

環境講座

年月日

内     容

講 師

出席者

H20.11.29

「廃棄物処理の現状と問題点」

広島市の現状と将来あるべき姿、取組み。分別処理の実際、処理に必要な費用。

亀井且博氏

23

H21.1.31

「都市ガス、天然ガスの環境性」

現在使用されている都市ガスは昔と違い天然ガスであり、環境に与える影響は非常に少なくなっている。

ガス会社としても環境には多くのエネルギーを使い、高効率ガスバーナーの開発や、環境教育にも積極的に参加している。

蓮池俊治氏

(広島ガス株式会社 

広報環境室

環境担当部長)

18

H21.2.28

 

 

 

 

「都市ガス、天然ガスの環境性」

広島ガスの供給体制、保安対策、災害時の対応について。

環境対策として開発中の燃料電池について現状と実用化目標

判谷泰典氏

(広島ガス

供給設備部)

木村 保氏

(広島ガス

技術研究所)  

22

 

 

 

 

H21.3.25

広島ガス廿日市工場見学

23

H21.4.18

「人類が今抱えている諸問題」

地球温暖化以外にも現代の人類は多くの問題を抱えている。 エネルギー、食料、水、鉱物資源の枯渇や絶対量の不足。今後の人口増加と経済発展がより問題を大きくする。

田辺粛郎氏

(会員)

20

                ―4−

文化講座  「歴史講座」 ・ 「映画書蒐集40年」

年月日

内     容

講 師

出席者

H20.10.25

「世界史における時代の特色を考える」  第1回

―歴史の時代の分け方―

人間の歴史を考えるとき,先史時代はともかく、政治、文化、社会的な大きな変化を総合して時代を区分けすると、全体が見えてくる。

 

有田嘉伸氏

(長崎大学名誉教授)

22

H20.11.8

 

 

第2回 現代という時代をどう見るか。

先進ヨーロッパ諸国が世界を席巻した近代の反省に立って、世界各地域が独立を目指した時代。マルクス主義と自由民主主義の葛藤の時代であり、結果的にはマルクス主義では、うまくゆかないことが決定的になり、次なる社会構成を模索する時代といえよう。

同上

23

H20.12.13

第3回 帝国主義の時代

ヨーロッパ列強が前近代にとどまっている世界各地域を犠牲にして成立したのが近代(帝国主義時代)といえよう。他の地域が目覚めたときに必然的に崩壊した。

 

同上

18

H21.1.10

第4回 古代・中世の世界

文明は大河の流域にほぼ時を同じくして発達したが、民主主義を基本に据えたヨーロッパと君主による専制国家として発達したアジア系との違いがその後のヨーロッパによる世界支配をもたらせた根本である。

 

同上

 

18

             −5−

文化講座  「歴史講座」 ・ 「映画書蒐集40年」

H21.2.14

第5回 諸地域世界(文化圏)の形成

前近代には世界各地で文化圏が形成され、それらが互いに独立して発達し、他地域を侵略するということはなかった。

 

同上

18

 

 

H21.3.28

第6回 近代ヨーロッパの功罪

16〜17世紀に市民革命を成し遂げたヨーロッパが産業革命をなしとげ、資本主義をあみだし、合理主義と科学技術の発展を促し、その力で世界を支配したのが近代である。それに習うことがアジア他の目標となって現在がある。今後を考えればそれがよいのかどうかは大きな疑問が残る。

同上

18

H21.5.23

映画・見たり、読んだり、集めたり

映画とは第8の芸術である。その魅力は多岐にわたり、さまざまな要素に惹かれるのである。

映画を見ることに始まり、関連した資料の蒐集にかかって以来40年、16,000点以上の資料が集まり、蔵書目録を自費出版した。

有田嘉伸氏

(映画書蒐集家)

16

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

               −6−

 自然講座  瀬戸内海の水産

年月日

内     容

講 師

出席者

H20.9.27

第4回 魚に話を聴く

水産資源の研究をするとき、ものを言わない魚たちから多くのことを聞き出す必要がある。採取場所、時期、

固体の研究などから産卵場所、生育地、回遊状態、年齢などなどを研究して資源の保守に努める。

 

石岡宏子氏

(独立行政法人 水産総合研究センター 

養殖研究所

繁殖部長)  

11

H20.10.11

第5回 変わりつつある海、   瀬戸内海の魚類に見られる異変と諸問題。瀬戸内海での漁獲量は減少傾向にあるとともに、魚種にも変化が現れている。 水質の変化、海水温の上昇などが原因と考えられている。瀬戸内海の平均水温は、この数十年で0.5~1程度上がっている。

重田利拓氏

(独立行政法人 水産総合研究センター 瀬戸内海区水酸研究所研究員)

12

H20.9.13

第6回 干潟の魚類とアサリの気になる関係

瀬戸内海のアサリの漁獲量はこの25年間で45,023Tから393Tに激減している。特に漁獲量が多かった周防灘は、干潟面積の減少も顕著ではないにも拘わらず、壊滅状態である。水質の変化だけでは説明がつかず、チヌやナルトビエイなどの魚類による食害もあるようである。逆に餌としてのアサリが減少したことによる他の魚種への影響も大きいと考えられる。

同上

21

 

 

 

 

               −7−

自然講座    「河川や海岸での災害から学ぶ」

年月日

内     容

講 師

出席者

H20.9.13

第4回 河川氾濫・内水氾濫・高潮

・津波災害

河川氾濫、内水氾濫の原因と対策。

高潮の原因と津波の原因、その違い。

被害の歴史。行政として、個人として防災上しなければならないことはなにか。

前原薫二氏

(技術士

建設部門

復建調査設計事務所

勤務)

21

H20.10.18

第5回 近年の水害や高潮の記録、洪水対策の例

国内で発生した水害の実際を写真や

映像で紹介し、災害を最小限に食い

止めるための手段を考え、行政が行

っている防災工事の実際についての

解説。予算不足が大きい現状。

同上

21

 

自然講座 「植物講座」 ―植物雑話あれこれー

年月日

    内     容

 講 師

出席者

H21.4.25

第1回 花と昆虫の不思議な関係

花の役目は花粉を受精させることであり、種々の方法を編み出している。

風媒花、水媒花ではそれほどではないが、動物や鳥に花粉を運んでもらうもの、特に昆虫に花粉を運んでもらうために花がとっている戦略の巧みさ,精緻さは驚くべきものが多い。

石田源次郎氏(広島市植物公園園長)

27

H21.6.27

第2回 植物の分布と大陸移動

各植物の分布域は雨量、気温、土質

によるが、それ以外の要素として地史、それぞれの種の散布能力が影響する。 同じ場所にあった植物がその後の地殻変動や、赤道の変動によって違う大陸に分布しているケースもある。

同上

31

              −8−

自然講座 「植物講座」  −現地観察会―

H21.5.8

春の野草を食す会

魅惑の里へ出かけて、野草を採取し、てんぷらやおしたしで楽しんだ。

シャク、ワラビ、ゼンマイ、コシアブラ、ギボシ、イタドリ、フキ、等

竹田隆一氏

(魅惑の里)

17

 

自然講座  「天文学」

年月日

    内     容

 講 師

出席者

H21.7.22

「皆で日蝕を見よう」

世界天文年に指定されているなか、

広島でも最大86%の欠け率になる

日蝕を観察した。日蝕メガネ、暗箱による投影、鏡の反射法、雲間越しの肉眼観察など楽しんだ。

大平眞二氏

(気象予報士)

152

H21.8.1

「夏の星座と木星観測」

皆既日食を現地の船上で観察されてきた佐藤講師の土産話を聞きながら、その写真を楽しんだ。

また、当日はあいにくの曇天であり、室内で家庭用のプラネタリュームを使用しての星座解説となった。

佐藤 健氏

(元広島市こども文化科学館職員、

東亜天文学会評議員)

29

 

自然講座  「干潟生物の観察」

年月日

    内     容

 講 師

出席者

H21.8.16

「宮島干潟の特徴と干潟生物」

宮島干潟はさまざまな条件の場所が並存し、それに伴って生息している生物の種類も多い。

それらの紹介と、現地観察時の注意事項。

石岡宏子講師

(宮島水族館教育ボランティア)

H21.8.22

「宮島干潟の生物の観察と分布調査」

水族館職員とボランティアが行う干潟生物調査に参加させて頂いた。

同上他水族館職員、教育ボランティアの皆さん

−9−

生活科学講座   「建築講座」

年月日

    内     容

 講 師

出席者

H21.5.16

「家相の検証」

家相の起源は中国の風水、易学であるが、日本に導入された後には干支、や方位学が一体となって複雑になっている。科学的に見ても風水的な考え方には納得できるものもあるが、全体的に見て実際の家に適用しようとすると、不具合が多い。

実際の設計に当たっては敷地の環境、方向、形、家族構成や家の中の動線などを考えて行うべきである。

西上良一氏

(元叶マ水ハウス大阪設計部長)

11

H21.6.20

家相で言う吉と凶の関係は、それに拘っていると、生活に不便が生じることも多い。 家相側からの要求をかわす方法の一つとして植樹が有効なことも多く、それぞれのケースに対して、凶を吉に変えてしまう植樹の位置、樹種がいろいろと決まっている。

同上

12

 

中国古典を読む会(阿品台市民センター クラブ活動として運営)

 年月日

   内      容

 講師

出席者

H20.9~

  H21.8

「論語講読」

毎月2回を基本に 22回の講座を開催し、為政編から里仁編まで読破した。

論語の各文章の解説と共に、論語の為政観と現在日本の政治のありようや現代人の考え方の問題点を鋭く突き、また個々の漢字の成り立ちと意味についても多くのことを教えて頂いている。

山根三芳氏

(高知大学名誉教授)

延べ

 

              −10−

2.  平成20年度講師一覧

  今年度は次の方々に講師を引き受けていただきました。

  篤く御礼申し上げます。

 

 山根三芳様     「中国古典を読む会」

 亀井且博様 講演  「地球温暖化の現状と対策」

    「廃棄物処理の現状と問題点」

 独立行政法人 水産総合センター 瀬戸内海区水産研究所 

石岡宏子様

 重田利拓様 

       自然講座 「瀬戸内海の水産」

       自然講座 「干潟生物の観察」

有田嘉伸様 文化講座 「世界史における時代の特色を考える」

            「映画書蒐集40年」

 広島ガス株式会社

  蓮池俊治様

  判谷泰典様

  木村 保様

  広島ガス鞄日市工場のみなさん

       環境講座「都市ガス・天然ガスの環境性について」

 前原薫二様  自然講座 「河川や海岸での災害から学ぶ」

 

 石田源次郎様 自然講座 「植物雑話あれこれ」

 

 大平眞二様  自然講座 「天文講座 日蝕観測会」

 

 佐藤 健様  自然講座 「天文講座」

 

 西上良一様 生活科学講座「家相の検証」

 

 田辺粛郎会員 環境講座 「人類が今抱えている諸問題」 

 

 

 

 

              −11−

3.  会員の単位取得状況(平成21年8月2日現在)

 

0単位      1名

1〜10単位  29名

11〜20単位 20名

21〜30単位 14名

31〜40単位  4名

41〜49単位  5名

50単位以上  12名   計 85名

    

4.平成20年度卒業証書授与者

  橋爪恭子(阿品台1丁目) 4回目

中島八雲(阿品台2丁目)              

  熊谷三智也(阿品台1丁目)3回目

富永通康(阿品台1丁目) 3回目

  田辺粛郎(阿品台1丁目) 4回目       

  山崎 傑(阿品台北)   4回目

  本田公韶(阿品台1丁目) 4回目       

  塩田喜彦(阿品台2丁目) 4回目      

  城戸秀元(阿品台1丁目) 4回目

岡山峰盛(阿品台2丁目) 2回目

尾池歌子(阿品台1丁目)

万波佐江子(阿品台1丁目)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            −12−

 

5.  会計報告(平成21年8月1日現在)

 

 収入

  前年度繰越金  60,604

  利  息      17

  収入合計 円   60,621円    

 

 支出

  会報印刷費   22,000(振り込み手数料を含む)

  用紙、文具費   1,922

  印刷代           3,519

  研修室使用料     5,860

    雑費               796(日食めがね材料)

  支出合計     34,097

  

  次年度繰越金  26,524

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

            −13−

             あとがき

今年度は、学習記録に詳述されるように、生活科学、環境、自然等の従来の講座に加え、新しく開設した「歴史」講座等々で、3回の小旅行・見学会を含め27回の勉強会を順調に運営することが出来、喜んでおります。また、中国古典を読む会については月2回のペースで「論語」を読んでいます。これらはひとえに講師の皆さんのご協力と会員各位の熱心な受講意欲によるものと感謝しております。他方、今年度は、かなしい出来事が続きました。阿品アカデミー創立以来今日まで当会を指導、支援して下さった竹下虎之助会長と昨年度の自然講座で「県下の自然災害の実状と問題」を講義いただいた多賀谷宏氏の突然のご逝去です。全く残念なことでした。両氏の本会へのご貢献に改めて感謝申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

さて今、日本での46年ぶりの皆既日蝕を数日後に控えた蒸し暑い日の夜、このあとがきを書いております。新聞、テレビ等のマスコミで報じられる世間の現況は、正に「日蝕の迷信」・・・日蝕のあった年には、世の中が乱れ、乱れる。・・・を思い出させるが如く、自民党の凋落とそれに伴う政治の混乱、多くの猟奇的事件の発生、世界的な不況に伴う失業者の増加等々、多くの人々が世の中に何かしらの異常、不安を感じられているのではないかと思います。これらは、社会から感じる漠然とした閉塞感から脱出するために「世の中の全てが何らかの変化を求めている」現象ではないかと思っています。

阿品アカデミーも参加者は高齢者が大多数、新規入会者が少ない、講師を探すのに頭を悩ます等の問題を抱えており、社会と同様、何らか変革が求められる時機に来ているのではないでしょか。こんな時代だからこそ、当会の目標も「地元で、気軽に参加でき、知的要求を満たす学習の場の提供」のみでなく、それ以外の何かが必要となるのではと思っています。今年4月から広島大学名誉教授の山下彰一氏が会長に就任されました。事務局スタッフ一同は、これを機に新たな気持ちを持って、新会長のご指導を得ながら阿品アカデミーの改革・運営に取組みたいと思っております。皆さんの一層のご支援とご協力をよろしくお願いします。

         平成21年7月  阿品アカデミー事務局

 

            −14−

 

  付)          阿品アカデミ-会則

                                  制定平成137月1日

                                  改正平成14年9月1

1  本会の名称

 本会は 「阿品アカデミ- と称する

 

2  本会の目的

 いま、放送大学を始めとして、各種通信教育、大学の公開講座、社会人入試等生涯学習 に対する関心が高まっている。

 これは、自分の能力を更に高め、より充実した生涯を送りたいという気持ちの顕れであ る。

 そこで、一般市民で構成するボランティア組織が中心となって、阿品に居住する住民が 身近で気軽に参加でき、知的要求を満たすべき学習の場を提供し、併せて住民相互の

 コミュニティ- を高め、より楽しく、住みよいまちづくりの一環とすることを目的とする。

 阿品とは、当面阿品台公民館管内とする。

 

3  推進母体

 本会を運営する推進母体として「阿品アカデミ-事務局」を置く。

 

4  会長

 初代会長は 竹下虎之助氏とする。

 

5  会員

 阿品地区に居住している住民で、当会の趣旨に賛同し、登録した者を会員とする。

 会員は講師、学生、事務局員で構成する。

 1) 講師は自薦、他薦を含めた各種情報により事務局で把握し、依頼する

  講義内容、時期等は講師と事務局、学生の間で調整して決定する

 2) 講義を聴講する者を学生と呼ぶ。

  但し、講義の聴講は会員外も可とする。

 3) 事務局員は会員の内、有志若干名がこれに当たり「阿品アカデミ-」を運営する。

 

  講師は必要に応じて地域外の専門家を招聘することも可とする。

  学生についても当地域外の住民の参加も可とする。

 

6  課程の構成

  課程は一般教養科と専攻科の2種類とする。

  一般教養科

   一般教養科の講義は、各講師の得意分野についての講演会形式とする。

  専攻科(講座)

   特定の課題についての継続的な研究会とし、講師は都度適任者に依頼する。

   継続期間は講義の内容、講師の都合、学生の要望により講座毎に決定する。

   研究会の実施方法は講師と学生の協議によって決定し、その活動は講座毎の自主管   理とする。

   又、可能な範囲で学生が自主研究を行い、そのレポートにより研究会を実施する。

   課程の内容については

   反社会的なもの・特定の宗教の教義を広め、信者を養成しようとするもの・

                付 1

 

特定の政治団体、政治家の主義を推進し、支持し、あるいはこれに反対するもの・   特定の個人、公職者、企業等への支持、反対を唱えるもの・営利目的のもの等本会   の趣旨に反するものは取り扱わない。

これらは事前に事務局で調整するものとする。

 

7  講義

  1講義は2時間を標準とする。

  1講義の構成は講演とそれに続く質疑応答、討論、意見交換とする。

  実習を伴うもの、野外活動を要するものは、講師と学生の協議により決定する。

  専攻科については、講義の最後に事務局主導で行うアンケ-ト調査により、以後の具体的な運営要領を希望学生と協議し決定する。

  講義開催日、時間は講義内容、講師の都合等を勘案して設定する。

  会場の都合や、講師の都合によりやむなく直近になって休講する場合は代講、延期等  の措置及びその広報は事務局が行う。

 

8  単位

   各講義への参加によって単位を取得するものとする。

   また、日赤看護大学の公開講座、文化部主催の講演会等、事務局が認定

した催し物に参加した場合も当会の単位として認定する。

 

  

  講義の種類

  単位数

 単位取得の条件

    管理方法

 

 一般教養科目

 

 

 専攻科目

 

 

 

 看護大学公開講座

 

 

 

 文化部講演会

 1講義につ

 1単位

 1講義につ

 1単位

 5単位

 

参加1回に

 つき1単位

 

 参加1回に

 つき1単位

  講演会参加

 

  研究会出席

 

レポート提出

 

 公開講座への参加

 

 

 

  講演会参加

  出席者名簿による。

   

出席者名簿による

 

講師からの申請によ

 

  自己申請による

 

 

 

  出席者名簿による

  レポートの単位数については、その内容により講師が認定する。

 

 

   各学生毎の取得単位数は事務局で集計し、各年度末に各人に通知する。

   累計50単位取得した学生には年度末に卒業証書を発行する。

   卒業した学生の再入学も可とする。

9  年度

   平成1391日から平成14831日までを初年度とし、以後91日から新学年とする。 但し、入退会は随時とする。

 

10    教室

  教室は原則として阿品台公民館の研修室を利用する。

              付2

11    謝礼及び学費

  一般教養科の講義については講師謝礼は無料とする。 一般教養化,専攻科とも資料代等として参加学生から1回につき 100 円を学費として徴収する。

             付 2

実費が不足する場合は講座毎に清算する。

             

 徴収した学費の管理は事務局がこれにあたり、年度末には収支をとりまとめ、会員に報告する。 なお、学費は運営実績により見直すことがある。

 

12    会報

  年度末には年間の活動報告書を発行する。

  講演概要、各研究会レポ-トをここにまとめ、希望者に有料で配付する。

 

13  広報

  広報は「阿品台公民館だより」、および「阿品アカデミーニュース」によることを原則とする。

  「阿品アカデミーニュース」は各月初めに発行し、登録会員の自宅へ配布する。

  -ムペ-ジを立ち上げ、時期が熟せばインタ-ネット上での広報を第一とする。

 

14 会員の義務

  会員は、本会の趣旨を理解し、自己の研鑽に努めると共に、会の運営に誠意をもって  協力する。

 

15  退会

  1年間以上にわたって単位取得のない学生は退会したものとみなす。

  他の会員に迷惑をかける行為があった場合には、事務局員の総意により退会させるも  のとする。

 

付則 本会則は平成1371日より施行する。

   改定  平成1491

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

              付 3